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stablish1979

  『平成17年度指導者講習会』

 

 今年は5年後、10年後に向けての考え方をまとめて実践することが、今まで行ってきたことに対する我々の納得と誇りを保ち、より一層の人格形成を高め、かつ自身の生き様が示せる1つに昇華させることが出来ると考えております。指導者各位の意識が将来の組織全体の方向性を決定する訳ですから、そろそろ真剣な討議が必要となります。
社会全般と同様ですが、現在行っている何かを単に繰り返しているのみで将来目標を持てず、討議を行わず、指導者各位が情熱の一抹すらもてなくなれば、それはすでに弾力を無くしたボールのごとく本来の目的を果たせないばかりか、単に邪魔なゴミでしかなく必要の無い本当に情けない結果にもなりかねません。会員各位全員に意思統一を行い、理解をいただくことは不可能に近いかもしれませんが、指導員や幹部会員の諸君にはせめて理解を得たいと思っております。努力しているとか頑張っているとかの建前も必要ですが実質には練習や指導、運営をどのような位置付けに置き自身にとっての満足度や目的、又納得、喜びを得る手段として現在どのように考えているのか、思っているのか等を、今一度真剣に洗い出さなければ今後が無いものと考えなければならないでしょう。何も考えず、実行せずに時を過ごしているとは思いませんし、又何も趣味の1つも持っておられないとも思ってはおりませんが、継続と反復の人生の心棒として考えるならば、近い将来に必ず来る各種の不安に対する心を強く練り、行進に対しては後ろ姿を示し、不惑の歳を迎える仲間の手本を心掛ける考えと実践こそが公私共に色々な益を生み続ける事と信じています。

1、加齢と共に心身の色々な変化を生じる事を40代中頃より何らかの形で感じ取ります。
しかし個人によって、その度合いには差違があり、一概にどうであると言う事は言葉や文章で表現しにくいものであるが、必ず自身に訪れるものです。その時まで心の準備をしておかなければ、今日まで何のために一生懸命努力して生きてきたのかと定めを恨んだり、嘆いたりすることにもなりかねません。人それぞれ色々な形を持って運命と同調していかなければなりませんが、我々は「武」と言うものを持って冷静かつこれからの人生を見つめ直し、満足のいく精神状態を保ちながら日々の生活を過ごすことが真に大切となります。

2、長い間の「反復と継続」はなにものにも代え難い大切な人間としての宝物であり自身の生き様であると言っても過言ではないと思います。しかし、反面は慣れが生じ気力や情熱が削がれて一時のときめいた気持ちや行動が無くなり、少しずつ無気力感に包まれ動作に切れが無く、消極的な考えと無頓着さが表に出て今まで現れていた魅力が消え失せる事となる。これを老いと言う。加齢することは誰にも止めることは出来ませんが、「老人」ならない様にすることは可能です。常なる心構えと気構えを持ち続ける事です。その為に仲間や道場があるのです。

3、身体は練りさえし続ければ一生磨けるものです。若いころと違って現状に合った目的意識と動きに留意しませんととんでもない結果を招くことにもなりかねません。我々が心掛けなければならないことは@若い人たちに指導するためにはどのような考え方のもとで行う事が必要か。A我々は自身の立場や体力に応じた練習を行い、如何に納得のいく行動と満足を得られたか。B組織と仲間はどのような付き合いが大切なのか。又、それを継続さす為の意義はどのように置くべきか。等々。何事においてもそうですが「無理、無駄、ムラ」の3無を如何に取り除くかにかかります。

4、我々は2つの事項に真剣に留意と取り組みを行わなければならない。1つは今まで勤しんで来た年数と努力を行進に如何に引き渡すか、そのためには何をどの様にすべきか。もうひとつは今後、我々が一生かけて心身の練と満足、納得を得るためにはどの様な考え方や取り組みが必要であるかである。長年、継続と反復と言う人間に取って真の「宝」を磨いてきました。それを今後は漫然と行うので意味が無くなってしまいますので、理を持って行う心構え、気構えが生活の一部であり、人生の潤いで有り続ける為にも構え過ぎたり責任のみにとらわれて、本末転倒になってはいけないことを心すべきであると思います。人が一番変わるのは「心」です。当たり前のことですが、頭の片隅に置き「心変わり」を生じたときには深呼吸でもして、今までの思い出や初心を考えて流れが途切れないようにして下さい。

熟年者の鍛錬とは「自然な身体の動き」の保持と「健康」の維持と「精神の安定」を得るためのものでなければならない。それを留意して今後は「練りの型」として「哲砦」(てっさい)を反復、極端に言えばそれのみにて修練していきたいと考えています。何かを保つためにも、得るためにも必ず意志を持って反復と継続して頂きたいと思います。それが若い仲間に対する見本であり、指導であると認識すべし。

                            五形流躰道塾精気会
                            主幹師範 大濱 正

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